第17回日本エム・イー学会甲信越支部大会

演題


1. 吸引型 Page Turner の開発とその基礎検討

千島 亮† 小林正義† 宮脇利幸†
中澤 朗† 牛山喜久† 北澤睦哉‡ 
朝日義一‡ 藤牧俊幸‡ 常田洋行‡ 
宮坂隆美‡

†信州大学 医療技術短期大学部
‡(株)千代田製作所

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2. 筆圧計の開発

北澤睦哉† 藤牧俊幸† 宮坂隆美† 
千島 亮‡ 中澤 朗‡ 小林正義‡ 
宮脇利幸‡ 牛山喜久‡

†(株)千代田製作所
‡信州大学 医療技術短期大学部

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3. 加速度センサによる生体表面状態計測

金子浩昌 武居 徹 米澤義道
伊東一典 橋本昌巳
信州大学工学部

 従来から、筆記具の加速度から筆記文字形状の再現を 行っている。今回はその応用として手術後の治癒過程や 皮膚の健康状態等の評価を目的に、生体の表面の凹凸を 簡易に計測する方法として、加速度センサを取り付けた 探針で走査、演算して形状再現する方式を検討した。加 速度は走査方向、走査面に垂直の2方向について計測す る方法とした。単純形状モデルとしてOHPシートの段 差で機能を確認し、更に手の状態の異なる数カ所につい て形状の定量的再現の可能性を確認した。今後は探針、 走査方法、多チャンネル化等を検討していきたい。

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4. 無線方式歯根面滑沢度検査装置の試作

坂口正雄 ○金子慶子 加藤正幸

長野高専 電子制御

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5. ヒト上腕二頭筋と円回内筋の神経結合について:PSTH法を用いた解析

宮坂卓治1 孫 英傑1 内藤 輝1
千島 亮2 桃井浩樹3 進藤政臣3
1信州大・医・第二解剖
2同・医療短大
3同・医・第三内科

 健常人被験者5名に対し、上腕二頭筋(BB)と円回内筋(PT)の間の神経結合についてP STH法を用いて解析した。正中神経PT枝と筋皮神経BB枝の電気刺激によりそれぞれ36 個中15個のBB運動単位と25個中15個のPT運動単位に抑制が誘発された。これらの抑制 の刺激閾値は運動閾値よりも小さかった。これらの抑制と同名筋促通との潜時の差は 1.2 ms以内であった。以上より、ヒトBBとPTの間には、I群線維と数個のシナプスを 介する相反性抑制のみられることが明らかとなった。

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6. 肘屈筋群の電気刺激による屈曲を伴わない回外動作の制御

孫 英傑1 矢島通広2 千島 亮3
内藤 輝1
信州大・医・第二解剖1
厚生連鹿教湯三才山病院2
信州大・医療短大3

 健常人3名に対し、肘屈筋2つ(上腕二頭筋:BB、腕橈骨筋:BR)の運動点に刺激電 極(軟質ステンレス線)を留置し、コンピューター制御式多チャンネル刺激装置を用 いて肘屈曲の伴わない前腕回外動作の制御を試みた。 BBの単独刺激で屈曲と回外、B Rの単独刺激で屈曲が誘発された。BRのある一定の刺激で回内位での屈曲が保持され た。この状態でBBの刺激を加えると屈曲と回外が発現した。しかし、BRの刺激を弱め ながらBBの刺激を強めると屈曲を保ったままでの回外が誘発された。屈筋群の収縮バ ランスを調節することで屈曲を伴わない回外動作が制御できた。

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7. 咀嚼回数と咬筋電位の同時記録装置の試作

坂口正雄 春原寿里 土屋量平 
小野伸幸
長野高専・電子制御
 肥満と食習慣との関連が重要視されつつある。食習慣の改善が 肥満の予防・改善につながると考えられる。よく噛んでゆっくり 食事をとる。目標は一口30回、一度の食事で1500回といわれる。
 我々は、咬筋電位を指標に咀嚼回数と咬合力を簡便に記録でき る装置を試作した。本装置は、筋電位検出用の心電図電極、差動 増幅器、カウンタからなる咀嚼回数計と自動音声録音スタート機 能つきのカセットコーダから構成される。カセットコーダは咬筋 電位発生に対応して録音が行われ、これを再生し、全波整流回路 に導き、その出力をペンレコーダに記録すれば咀嚼時の整流筋電 位が求まる。
 本装置を用いて、食事当たりの咀嚼回数と咀嚼時の咬筋電位の パターンを観察した。

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8. 顎運動シミュレータJSN/1Dを用いた開閉口運動の解析

林 豊彦+ 田中澄江+ 池津正人+ 
中嶋新一++ 小林博+++ 山田好秋++++
宮川道夫+++++ 石岡靖++++++
+新潟大学大学院自然科学研究科
++新潟工科大学機械制御システム工学科
+++新潟大学歯学部歯科補綴学第一講座
++++新潟大学歯学部口腔生理学講座
+++++新潟大学工学部情報工学科
++++++新潟大学名誉教授

 我々は咀嚼運動など顎運動のメカニズムを解明することを目的として,自律下顎運 動シミュレータJSN/1を開発してきた.今回は,従来のシミュレータに側頭筋前部と 後部の筋アクチュエータを追加し,開閉口運動における側頭筋の機能について分析し た.筋電図学的に明らかにされている活動様式を筋アクチュエータに与えることによ り開閉口運動を再現した結果,側頭筋前部筋束は閉口時における垂直的下顎位の制御 ,後部筋束は水平的下顎位の制御に関与していることが分かった.また,水平的下顎位は,頭筋後部筋束と外側翼突筋の拮抗活動により高い再現性が得られることも明 らかとなった.

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9. 生体表面組織の音速計測のための多対プローブの検討

若松哲臣 橋本昌巳 米澤義道 
伊東一典 *松尾 清
信州大学 工学部
*信州大学 医学部

生体表面組織の皮膚は、表皮と真皮の二層組織で構成さ れ真皮の膠原線維によって方向性が存在する。方向性は 火傷や皮膚疾患等により損傷を受けた場合に変化すると 考えられる。そこでこの方向性を計測することが可能な ら正常時のパターンと比較することで変性の状態を知る 手段となる。本研究は、超音波による生体表面組織の異 方性計測を目的としている。今までに一対の送受信トラ ンスデューサでの計測により線維方向の音速が直交方向 に比べ速くなることを確認した。しかし一対での測定で は一部位に対しプローブを回転させて測定するため時間 を要する。そこでプローブの多対化により計測の容易化 を検討した。四対からなるプローブを製作しシリコンで の音速測定により十分な加重時に安定した音速が得られ ることを示し、その時の測定方向間の伝搬時間差を求め 補正値を決定した。このプローブによるイカの音速測定 実験により異方性検出の可能性が見い出された。

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10. マイクロ波トランスミッションCTによるマイクロ波反射物体のイメージング

中島隆行 坂口正雄 田中京子
山浦逸雄
長野工業高等専門学校電子制御工学科
信州大学繊維学部機能機械学科

 マイクロ波CTによる生体内イメージングでは,生体内の温度分布を画像化で きる可能性があることや癌の検出に優れるなどの特徴がある.これまでにトラン スミッションCTにおいて回折効果の補正による分解能の改善とヒト前腕部の撮 像を試みてきたが,前腕部の画像には実際と異なる歪みが生じていた.また分解 能についてはファントムによる評価では改善効果が確認されているが,生体内イ メージングにおいては効果が十分ではない.
 本研究では被検体表面におけるマイクロ波の反射の影響を調べるため,ファン トムによる撮像実験を行った.その結果,被検体内部の像に歪みが生じるととも に,回折効果の補正により歪みの発生が顕著になることが明らかになった.また 反射物体の影響を除去する方法として被検体のプロジェクションと反射物体のプ ロジェクションとの差分に対して回折効果の補正を行うことにより,分解能の改 善効果と被検体内の画像が得られた.

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11. 画像処理による視線検出の精度向上

莫 渝渝 上田 貴央 柴崎 晃明 
周 欣欣 大木 真 橋口住久
山梨大学 工学部 電子情報工学科

 画像処理による視線検出の精度向上させるためにテンプレート画像の作成す る方法について検討した。  顔の画像から視線を検出するに必要な領域は,両目の黒目と瞼を含む範囲で ある。この領域をテンプレート画像とし,様々な方向を見ているテンプレート画像を 用意し,視線方向を検出したい画像(対象画像)との相関から,視線方向を求めることが できる。従来は,テンプレート画像の範囲及び位置が、検出対象画像の範囲及び位置と 完全に重なっていないと検出制度が低下する。
 ここでは、被験者の顔にマーカーを取り付け、被験者の顔画像からマーカー位置を 自動検出して、テンプレート画像と検出対象画像の位置あわせを自動化することを 試みた。  その結果、本方式によりテンプレートに使用する範囲のばらつきを0.5mm以下に抑え ることができ,このように生成したテンプレート画像を使用することにより,視線方 向の検出精度の二乗平均誤差が7%改善でき,最大誤差が30%改善できた。

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12. 人工股関節の設計援助システム

- 大腿骨内腔の自動抽出 -

櫻木健太 周 欣欣 大木 真 
橋口住久
山梨大学 工学部 電子情報工学科

 高齢化が進むにつれ,人工股関節をより長期にわたって機能させる必要がある。人工 股関節の耐久性を良くする方法として,CT画像から大腿骨内腔の形状を抽出して,抽 出した大腿骨内腔の形状から人工股関節を設計する方法がある。我々は,こうした人工 股関節設計システムの一環として,大腿骨内腔の抽出を試みた。大腿骨抽出を以下の ような手順で行った。
  1. CT画像から骨の3次元モデルを構築し,CG操作により,人工骨を設計する範囲を指定する。
  2. 動的輪郭モデルにより内腔を抽出する。
 大腿骨内腔の抽出に動的輪郭モデルを用いることにより,さまざまなアーチファクト を防ぐことができ,滑らかな輪郭を抽出することができた。

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13. 絶対湿度センサを用いた微少水分量計測装置の試作

坂口正雄 ○仲林大輔 末松芳樹 
大橋俊夫*
長野高専・電子制御
*信州大・医・第1生理

 我々は、蒸散する湿水分量(発汗量)の連続記録装置のセンサ として、従来、静電容量式の湿度センサを用いてきた。このセン サは、相対湿度に感度を有し、低湿度、応答性に優れている。し かしながら、水分量計測の際は、センサ周辺温度の影響を除く必 要があり、そのため回路構成が複雑となる。また、実用されてい る静電容量式湿度センサは輸入品であり、高価でもある。
 我々は、絶対湿度の直読化をはかったインピーダンスを指標と するセラミックス湿度センサに着目し、安価かつ簡便な微少水分 量計測装置を試作した。
 今回、センサの実用性と装置の概要ならびに発汗量測定への適 用例を報告する。

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14. 樹木の根の接地インピーダンスの測定

鳴海健司 田中京子 山浦逸雄
信州大学繊維学部機能機械学科

 樹木の根を一種の生物センサと考え,大地に関する情報を樹木の電位からとらえる 研究目的に対して,まず樹木の根の電気的特性を明らかにする必要がある.これを接 地インピーダンスの形で把握する.測定のため樹木との電気的接続には電極を用いる が,電極インピーダンスが生じるため,樹木の接地インピーダンスを直接測定するこ とは困難である.このため,複数本の電極を用いることにより,新たに樹木の接地イ ンピーダンスを電極インピーダンスと切り離して測定できる方法(マルチ電極法)を 考案した.この方法により測定した結果,測定周波数1kHzにおけるケヤキ(樹齢 約90年,幹回り寸法2.0m)の根の接地インピーダンスは63.8-j4.12 Ω,接地インピーダンスを抵抗と容量の並列回路と仮定したときの根の抵抗は64. 1Ω,容量は160nFと求まった.さらに測定周波数を変化させ,Cole-Co leプロットについても検討を行った.

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15. 高いQを持つ空洞共振器アプリケータを用いたハイパーサーミア装置の加温特性

斉藤義明†† 木竜 徹† 堀 潤一††
橋本一範†
新潟大学大学院自然科学研究科†
新潟大学工学部††

 本研究室では、リエントラント型空洞共振器アプリケータを用いたハイパーサ ーミア装置の開発を行ってきた。これまでに直径240mm 高さ250mmの小型被加温体 (ファントム)に対しては良好な深部集中加温を実現することができた。子供の 大きさ程度の直径200mm長さ800mmのファントムに対しては良好な深部集中加温が 得られていない。これは共振器の中に挿入した誘電体の体積が大きいため、従来 は100程度あった共振器のQが60以下に低下したことが原因であると考えられる。
 本研究室では共振器内の2つのリエントラントのうち上部の1つを空中に浮かせ ることにより、従来よりの高い共振器を作成した。本研究ではこの共振器を用い た加温特性を調べることを目的とする。具体的には、上下リエントラントの長 さ、ファントムの設置位置、コイルの設置位置等を変更しながら実験を行い、各 パラメータの関連性を調べた。

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16. 熱痛閾値の性差についての研究

○坂 育生 佐藤 隆幸 福本 一朗 
長岡技術科学大学 工学部 医用生体工学研究室

痛覚閾値の測定の被験者としては従来、男性が対象となることが多く、月経周期によ って体温が変動する女性は測定対象とされた報告は少ない。我々は体温のほかに心理 面での変動も最も大きくなると予想される月経期間に注目し、この期間の女性を対象 に熱痛閾値の変化及び男性との違いを明らかにすることを試みた。本実験では改良型 熱痛計と熱電対温度計によって測定された熱痛閾値と気分、体調などの内省および体 温との関連を調べた。その結果、体調は悪くないと答えた女性では男性の平均値と有 意な差は見られないが、体調が悪いと答えた女性では男性の平均値に比べて痛覚閾値 が低くなる傾向がみられた。また、女性では体調に関わらず男性に比べてばらつきが 大きくなる傾向が見られた。

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17. RGBペプチドを用いたインテグリン数推定

松本浩太 大野正明 〇Ismi Kamarul Sham Ismail
三宅 仁
長岡技術科学大学

 細胞接着因子であるフィブロネクチンの、いわゆる細胞接着性蛋白質の 共通接着活性部位はRGBペプチドである。これを用いれば、細胞のレセプターに結合し、 細胞の接着阻害を起こすことによる効果を期待できる。
 本研究ではRGBの細胞接着阻害性を調べるともに、細胞一個当たりの 細胞接着因子レセプター数の推定を試みた。 すなわち、0.2mM毎の0mM~1.0mM濃度のRGB溶液をマイクロプレートに 1mlずつ入れ、そこに8.8*104のHeLa細胞を加え、20分間でゆっくり反応させ、 37℃で90分インキュべートした。末接着の細胞を生食で洗い流し、 アルコールで固定させ、細胞接着、形態を顕微鏡で観察し、撮影した。その結果、 0.8mMと1.0mMのRGB濃度は,細胞の非接着率が100%であり、0.2mM,0.4mM,0.6mMは、 濃度に反比例して接着阻害が接着阻害が起きた。 濃度と細胞数からインテグリン数は5.45*1012個と推定された。

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18. 磁気センサによる非接触バイタルサインモニタ装置

西山猛彦† 斉藤義明‡ 木竜 徹†
堀 潤一‡
新潟大学大学院自然科学研究科†
新潟大学工学部‡

 病院や在宅医療の場において,心停止や呼吸停止の可能性のある患者の場合, 昼夜を問わず生命状態を把握しなければならない.その実現には多くの人手を 要するために,患者監視の自動化が望まれている.しかし,生体信号を測定す るための装置は,人体に電極などを装着する必要があるため,患者に運動の制 限による負担を与える.
 本研究室では,磁界を利用して呼吸および心拍動を無拘束で検出することが できる生体信号検出装置を開発した.この装置では,磁気センサをベッド下に 配置し,磁性シートを敷いたベッド上に被験者が横たわることにより,呼吸お よび心拍動を非接触に検出することができる.しかし,寝具や被験者の寝る位 置が変化した場合,生体信号の検出が困難となる問題が予想される.
 本研究では,寝具や被験者の寝る位置によらず安定して生体信号を検出する 装置の開発を目的とする.

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19. スキー運動時の心拍変動からみた自律神経系活動の時間的ふるまい

木竜 徹† 阿部岳史† 斉藤義明‡
牛山幸彦††山田 洋‡‡岡田守彦‡‡

†新潟大学 大学院
‡新潟大学 工学部
††新潟大学 教育学部
‡‡筑波大学

 スキー運動時とリフト搭乗時で心電図を計測し, その心拍変動を時間周波数解析で解析した.計測には, PCMCIAカードのADコンバータとノートブックコンピュータからなる 無線制御型生体信号収集ユニットを作成し,各々の場面で2分間の心電図を計測した. なお,スキー運動時にはさらに左右前脛骨筋の表面筋電図を計測した. 時間周波数解析には,Gabor関数によるWavelet解析を利用した.  その結果,呼吸に関連した副交感神経活動関連成分が時間につれて, スキー運動時とリフト搭乗時とで明らかな差違を示すようになった. これは,筋疲労に伴う影響と思われた. この特徴を一定負荷随意収縮実験での特徴と比較した.

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20. 音楽療法を用いた痴呆高齢者記憶能力訓練システムの基礎研究

◯小林 純 佐藤 敦 福本 一朗
長岡技術科学大学 工学部 医用生体工学教室

 我々が開発を行っているパーソナルコンピュータを用いた記憶能力訓練システムは 、痴呆高齢者が操作するには精神的負担が大きいと考えられる。そのため訓練時にモ チベーションが低下する傾向が見られ、正答数低下の原因の一つとなる可能性が考え られる。また、精神的負担がストレスとなり、呼吸数、心拍数等に作用し、正答数に 影響するのではないかと考えられる。そこで、音楽療法を用いることによって、痴呆 高齢者の訓練に対するモチベーションを向上させ、呼吸数、心拍数を変化させて正答 数を向上させることができるのではないかと我々は考えた。本研究では、健常学生に 対し、音刺激として演歌、ロック等の異なるジャンルの曲を用いる。そして、我々の 記憶能力訓練システムの正答数の変化と、訓練時の呼吸数、心拍数の変化、内省を観 察することで、音楽の効果を調査する。今回はこれらの実験結果について報告する。

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21. 精密手作業評価システムの基礎研究

◯河田 茂樹 福本 一朗
長岡技術科学大学 工学部 医用生体工学教室

 溶接作業や半導体製作等の特に細かい手作業時には振戦の増大が観測され、作業に 影響を与えるため除去することが望ましい。そのため精密手作業時の標的に対する振 戦の評価法の確立が必要である。本研究はこの精密手作業時の振戦の評価法を確立す ることを目的としている。従来の研究においては標的の中に針の先を留めようとする 作業(抑制意志あり作業)を任意の標的面積にて行うと主要振戦周波数は上昇する傾 向があることが分かっている。本研究では従来の研究方法と同様な4種の標的面積に おいて抑制意志あり作業時の振戦加速度波形の振幅について解析し、精密作業を行う 際の振戦抑制へ応用するため標的面積にともなう振戦の変化について調査した。その 結果、同じ標的面積にて抑制意志有り作業を行うことにより振戦加速度波形の振幅が 増幅する傾向がみられた。

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22. 線形予測法を用いた振戦疾患の新しい鑑別方法に関する研究

◯半戸 志麻* 岡田 清** 福本 一朗*
* 長岡技術科学大学 工学部 医用生体工学研究室
** 長岡工業高等専門学校 電子制御工学科

 パーキンソン病と症候性パーキンソニズムの徴候の一つにふるえ(振戦)が挙げら れる。これらの疾患に対し投薬治療を行うと、健常人と同程度まで振戦の抑制が可能 となるが、投与後の疾患の鑑別が困難になるという問題点もある。我々はこれまで振 戦症状が軽度な状態での鑑別を行うことを目的とし、主要振戦周波数を用いた振戦の 周波数解析を行ってきたが、軽度の患者においてはパーキンソン病と症候性パーキン ソニズムの機械的な鑑別は困難であった。一方で、パーキンソン病と他の振戦疾患と は、振戦症状の発生機序に違いが存在すると考えられている。そこで我々は振戦計測により得られた信号から、線形予測法を用いて振戦を発生させている源信号を予測す る事により振戦の鑑別を行うことを試みた。その結果、パーキンソン病と本態性疾患 では、本手法により予測された中枢からの源信号に違いが見られたので報告する。

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23. 重心動揺計測による姿勢制御機構の解明

松山達雄 西田雄介 豊嶋善郎
Ismi Kamarul Sham Ismail 本 浩太 三宅 仁
長岡技術科学大学 

 人体の快適感計測には様々な方法が考えられる。 本研究では重心動揺を計測することで、人体の疲労度を知ることを前提とし、 まず、人体の姿勢制御機構を解明することにした。姿勢を制御するためには、 種々の感覚系が必要である。従来から、視覚系が姿勢制御に及ぼす影響については 多くの研究がなされてきた。しかし、その他の系については分離してその影響を 考察するのが困難とされ、まだ詳しくは解明されていない。
 そこで、本研究では、上体(あるいは下肢以外の全身)と下肢をそれぞれ疲労 させることにより、人体の姿勢制御系のどの部分に最も影響が出るのかに注目した。 現在までのところ、上体が疲労しても、下肢が疲労しても同様に重心動揺に影響 することが分かった。この事から、疲労による人体の重心動揺への影響は、直接影響を 持つと思われた下肢の疲労だけでなく、上体の疲労によっても起こり、 上体疲労からも重心動揺による疲労の計測が可能であると判断できることが分かった。

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24. 間接飛翔筋型昆虫の胸部外骨格の弾性

西田雄介 豊嶋善郎 松山達雄
三宅 仁
長岡技術科学大学

 ミツバチなどの間接飛翔筋駆動のメカニズムはその概略として、 胸部の振動をうまく利用した機構であることが知られている。しかしながら、 これを機械工学的に再現できる程には解明されていない。我々はこの昆虫胸部の バイオメカニクスモデルにより、その弾性係数と振動の関係を明らかにした。 本研究においては、より詳細な間接飛翔筋型昆虫の飛翔のバイオメカニズムを 解明するために、ミツバチを用い、外骨格が箱状に組合わさった形状で弾性体を 形成している胸部外骨格の弾性係数を、微小変位が測定可能なレーザー変位計を 組み込んだ自家製装置を用いて測定した。しかしながら、得られる試料が小さいこと、 物試料であるので、長時間の計測では乾燥等により変質するので、 その測定環境を含めた測定条件の維持が困難であるこ となどの理由により、理論値を大幅に異なる結果が得られた。

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25. 聴覚障害者のための音声認識訓練システムの基礎研究

- 高音急墜型の疑似感音性難聴を実現する高域遮断周波数の検討 -

長岡技術科学大学 工学部 医用生体工学教室
 現在、我々は聴覚障害者のための音声認識訓練システムを開発している。 聴覚障害者を対象にした本システムの有効性の確認が不可能であるため、 健聴者を疑似的な感音性難聴(以下、疑似感音性難聴とする)状態にし 予備実験を行うこととした。この疑似感音性難聴とは、 提示する音声信号をあらかじめ処理することで感音性難聴を模擬するものである。 今回我々は、感音性難聴の一種である高音急墜型をハイカットフィルタの使用により 模擬した。使用するフィルタの高域遮断周波数の低下にともない、 聴取正答率の低下が予想される。我々は、健聴者を対象に無作為抽出した25種の 単音節を提示し、高域遮断周波数を変化させたときの 聴取正答率の変化について調査した。 ハイカットフィルタには減衰特性 -48dB/oct の 8次バタワース型スイッチトキャパシタフィルタを使用し、 高域遮断周波数を300Hz~3000Hz 間で変化させた。さらに、 単音節の聴取正答率の結果と聴覚障害者が聴取困難とされている単音節を比較した。 高音急墜型の感音性難聴を模擬するために有効と考える高域遮断周波数を 検討したので報告する。

◯川田 章弘 鈴木 了 福本 一朗
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26. ビーム状可聴音による歩行誘導の基礎特性

青木利元 早坂郁美 米澤義道
伊東一典 橋本昌巳

信州大学 工学部

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27. ディジタル補聴器のためのラウドネス補償処理のシミュレーション

傳田一雄 伊東一典 今関義弘 
米澤義道 橋本昌巳
信州大学 工学部

 高齢化社会の到来による高齢者の増加により、 老人性難聴者の数が急増すると予想され、 後補聴器の果たす役割は大きくなるものと思われる。
 本研究では、ディジタル補聴器に組み込むラウドネス補償処理の有効性について 検討を行なっている。既に実用化されているラウドネス補償型補聴器を参考に、 ラウドネス補償処理のシミュレーションプログラムを作成した。 46m秒ごとに音声のパワーを分析し、 健聴者が感じる音の大きさで難聴者に聞こえるよう ディジタルフィルタを利用してラウドネスの補償を行なっている。
 マスキングノイズを利用して模擬的に難聴状態を作り、 原音声とラウドネス補償処理音声における言葉を正しく聞き取れる割合の 相違点について調べ、ラウドネス補償処理の評価を行なった。 その結果、ラウドネス補償処理の補聴効果を確認できたが、 言葉によっては正しく聞き取れる割合が低下するという問題点もあることが分かった。

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28. マウスクリック代行機能のための歯の接触音検出

橋本昌巳 米澤義道伊東一典
信州大学 工学部

 本研究は、マウスのクリック機能の代行手段として、 歯を鳴らすときに生ずる音を利用して、 口内の左右のどちら側で歯を鳴らしたかを判別して、 二つボタンのマウスに応用することを目的としている。 歯による接触音の検出は、耳にイヤホン状のセンサを装着して行う。 歯と左右の耳孔間の伝達関数の違いから、 数百Hz以下の範囲に着目することでレベル差による左右位置の判別の可能性を示した。 また、耳孔へ装着したセンサに対する歯の接触音の到来は一方向のみからであり、 歯の接触している方向とは多少異なることを示した。さらに、 この接触音を検出することを目的とした センサを圧電性フィルム(PVDF)を用いて試作し、その可能性を示した。 このセンサの特徴は、小型で外部の音を遮断しない。また、 一方向からのみの音を検出するための方向性を持つことにある。

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29. Purkinje-Sanson像を用いた仮性近視自己治療システムのための測定

- 条件設定に関する実験的検討 -

○高根優子 大越一仁 福本一朗
長岡技術科学大学工学部 医用生体工学教室

 近年、オフィス等の急速な情報化によりVDT作業が増加しており、 それに伴う仮性近視患者の増加が問題になっている。 そこで、我々は薬剤や手術に頼らないバイオフィードバックの手法による 仮性近視の自己治療を目指している。 仮性近視は水晶体を保持する毛様体筋の持続的過緊張が原因とされている。 本来無意識で作用している毛様体筋の過緊張を和らげるために、 バイオフィードバック手法で意識的に操作する訓練を行うことにより、 自己治療を実現する。我々は、自己治療のためのフィードバック情報として Purkinje-Sanson像計測法により計測した水晶体厚み変化量を用いる実験を行ってきた。 P-S法を用いて水晶体厚み変化量を定量的に計測し、算出した値の再現性を 向上させるための解析方法に関して検討する目的で実験を行った。本報告では、 水晶体厚み変化量計測実験についての、実験方法やシステム構成、解析方法、 実験結果について報告する。

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30. 光刺激を用いたアルツハイマー型痴呆検査法の開発

史 学敏 内山尚志 高根優子
佐藤 敦 福本一朗
長岡技術科学大学

 現在、アルツハイマー型痴呆の検査法には「点眼検査」がある。 ただこの方法には2つの問題点があり、薬の副作用があることと 計測時間が長すぎることが挙げられる。 そこで我々は光刺激による瞳孔変化を用いた アルツハイマー型痴呆検査法の開発を行った。本システムは光源を正面45°の角度、 被験者の角膜から40mmの距離で被験者に照射し、赤外線カメラで瞳孔の様子を撮影し、 ビデオカメラで録画し、その後コンピュータで解析するものである。 アルツハイマー型痴呆患者は健常学生と比較し、瞳孔散大時間は0.23秒遅く、 瞳孔変化率は10.6%小さいことが確認された。 また、アルツハイマー型痴呆患者は年齢が高いほど瞳孔の変化率が大きいが、 脳血管性痴呆等の患者は年齢が高いほど瞳孔の変化率が小さいことが見られた。 今後の予定では健常高齢者及び各疾患別の痴呆患者数を増やして実験を行い、 痴呆の年齢または症状等の相関を検討する。

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31. VEPリアルタイム解析による視線検出システム

小嶋貴義 荒井善昭 米沢義道
伊東一典 橋本昌巳 今関義弘
信州大学 工学部

 視覚誘発電位(VEP)には、目に受ける光刺激の持つ周波数と位相の成分が含まれ、 その大きさは、注視した光源について最大効率となる。 従って、VEPの解析から注視光源の検出が可能であり、 この効果を用いて肢体や発声機能に不自由がある人の コミュニケーション援助機能の構成を目指している。 誘発脳波からの周波数と位相成分をハード構成のシステムで抽出した。 周波数は高QのBPFで、位相は光源駆動信号との位相差として得た。 両パラメータによる識別法で、二次元配置の40個の光源の内の一つを注視して 発生している視覚誘発脳波中から注視光源の認識を 0.5秒から3.0秒で行えることを確認した。

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32. アナログ入力系インターフェイスへのVEPの応用

荒井善昭 小嶋貴義 米沢義道
伊東一典 橋本昌巳 今関義弘
信州大学工学部

 高齢化社会が進み今後肢体不自由者の数は増加していくことが予想される。 肢体不自由者のために視覚誘発脳波(VEP)を用いて意思伝達や、 各種装置の制御を行うためのシステムを作ることを目的とし、 基礎検討をおこなっている。
 VEPの刺激周波数に対する振幅特性、位相特性、 刺激光源に対する視線方向による特性を用い、現在までに数十の点滅光源の中から 注視している光源を判別できる可能性を得た。 それぞれの光源に、文字や、スイッチングなどの意味づけをおこなえば、 文字入力系や環境機器制御の可能性が考えられる。
 また、アナログ入力系への応用を考え、 2光源の間を注視した場合のVEP特性についても検討した。

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